[2020.5.20] 頭の中は「算数列車」
息子は小学1年生です。
コロナのせいで4月に入学式だけ済ませてそのまま学校はお休み。そのあと私も在宅になり、ずっと2人で自宅生活です。
今夜はお布団に入ったのが22時を過ぎていました。なのに私が少し用事をしている間に、キッズBEE(算数オリンピック)の分厚い過去問題集を取り出してきて、夢中になってしまいました。
さあ寝よう、とお布団に誘ったのですが、なかなか本から離れません。「もうやめなさい」と言いかけましたが、明日は仕事も休みだしゆっくり寝ればいいかー、と少し相手をすることにしました。
楽しそうに本をめくる息子。
こういうときは、
「すごいねー」
「どうやって解いたの?」
「センセイ、ちょっと説明してください」
「へー!」
「ふーん!」
と持ち上げて、私が教えたり、ヒントを言ったりしないように気を付けています。
私より速く解けたり、中には私が「わからない振り」をしているのではなくて、本当にわからなくて教えてもらうこともあります。
私もいつの間にか合いの手を入れるのに盛り上がってしまい、気が付けば11時過ぎ!さすがにもう寝なければ。続きは明日のお楽しみということで、布団にもぐって電気を消しました。
が…、
なかなか眠れない息子。
がさがさ、ごそごそ、
お布団を被ったり、出てきたり、
うつ伏せになったり、仰向けになったり、
180度回転したり(私の顔の横に足が!)、
ころころ転がったり、
全然眠れない様子…。
こういうこと、たまにあります。
(最近は朝ゆっくりだし、余計に)
翌日が休みでないときは、
「早く寝なさい!」と、
きつい言い方をしてしまうこともあるのですが、明日は休みなので心に余裕があります。
ふと、聞いてみました。
「何か考えてるの?」
別に「眠らずに何を考えているんだろう?」と強く疑問に思ったわけではありません。何となく聞いてみただけです。
すると、意外な答えが返ってきました。
「いっぱい数字が浮かんでくる」
何それ???
私「数字が浮かんでくるの?」
子「うん」
私「どんな数字?」
子「数字とか計算とか」
私「どんな計算?」
子「かけ算」
私「式言って」
子「20×25」
じっと顔を覗き込むと、暗闇の中でぱっちり目を開いて、眼球だけくるくる動いています。
計算が浮かんでくるんだ…。
勝手に…。
うーん、
何だか不思議なことを言う…。
(数分経って)
私「まだ計算してる?」
子「うん」
私「式は」
子「60×80」
早く寝かせなければと思いう反面、頭の中でどんなことが起こっているのかどうしても知りたくて、詳しく聞かずにはいられませんでした。
計算式が浮かんできて、解くとまた次の計算式が表れるらしいです。
数字が目に見えるように現れるのではないけれど、次次と式が順番にやってくるそうです。
息子はまだ九九を1から5の段までしか覚えていないので、かけ算と足し算を駆使(?)して答えを導きだします。
答えに辿り着く過程でたくさんの数字を足したり掛けたり、解けてはまた次の計算、と延々繰り返す。
息子曰く、
「算数の電車がぐるぐる頭を走っている」
普段から数字の事ばかり考えている子供です。数を数えたり、数式を写したり、算数図鑑を読み耽ったり。そんな姿が日常的にあって、よっぽど算数が好きなんだなぁとか、得意なことは伸ばしてやりたいなぁと思うことはあっても、子供の脳内をイメージしたことはありません。
今まで表面的な行動しか見えていませんでしたが、今日は初めて彼の思考の一片が、ふーっと自分の脳内にイメージとして湧いて理解できた、不思議な感覚を体験しました。
そのあと息子は、
「ガタンゴトン、ガタンゴトン
キーーー
ガシャン
プシューーーーッ
車庫に入りました」
と言って、眠りに落ちました。