Yukkieの子どもと一緒に学ぶ子育て

算数大好き息子と元英語講師の母の二人暮らし。夫とは2017年に死別。前を向いて明るく楽しく生きています。私たちの日常や日々思うことを綴ります(ギフテッド、2E、学習、受験、塾)

[2021.12.1] 傍聴メモ~特異な才能のある児童生徒に対する指導・支援の関する有識者会議(第5回)

11/29(月)に特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議(第5回)を傍聴しました。

と言いたいところですが、実際は当日仕事を調整して傍聴する準備をしていたのに、開会直前になって文科省から「危機の不具合でリアルタイム配信できません」というメールが来ました。

30分後に聞けるようになって、お知らせメールも届いていましたが、仕事を続けていた私は気づかず、当日会議終了後に配信された録音を、やっと昨日聞いたという次第です。

時間が十分取れず、「ながら聞き」したので、気になったところだけを簡単に書きます。


全国の教育委員会に対して実施されたアンケート結果がまとめられていました。

【資料1】特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議 アンケート結果まとめ
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20211126-mxt_kyoiku02-000018867-001.pdf

アンケートの内容は、特異な才能のある児童生徒に対する教育委員会等が行う支援策について。

簡単に言えば、以下のようなことを聞いています。
・才能児に支援策を行っていますか?
・行っているなら具体的に何をしてますか?
・行っていないなら、なぜ行えないのですか?行うために何か必要なことありますか?


回答した教育委員会のうち、
「支援策がある」と答えたのは、30
「ない」と答えたのは、474
でした。

支援策のある教育委員会は圧倒的に少ないですが、それでも30あるんですね。(たとえ0でも驚かなかったですけど…)

ただ、指摘されていたのは、支援があったとしてもイベント的であり、日常において継続的に支援を行っているわけではないということ。
なので、普段から日常的に支援スタイルが確立しているところはないようです。


また、支援策がない場合、実施困難な理由としては、

・「特異な才能のある生徒」の基準が定まっていない
・専門の指導者がいない
・具体策が見えないので予算が計上できない
・特定の児童生徒に支援するのは公平性に欠ける恐れがある

などという意見が上がっていました。


教育委員会もどうしていいかわからなくて困っているんだろう、という印象です。

まあそりゃそうだ、という感もあります。「特異な才能のある児童生徒」の基準が定まっていない、つまり支援を受ける対象が明確になっていないのに、支援は難しいでしょう。


また、
「才能ある子供に支援をするのは不公平感に繋がる」という回答に、私は引っ掛かりを感じていたのですが、資料2についての意見交換の際に、「機会均等」に触れられた(資料2、17ページの3つ目の○の)記述について、学習院大学の秋田先生という方が次のようなコメントされていました。

【資料2】特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議 論点整理(たたき台)
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20211126-mxt_kyoiku02-000018867-002.pdf

「『全員に同じ時間に同じものを与える』というのが機会均等であるという発想が未だ根強く残っているが、今重要なのは「どの子にも公正に質の高い学習が保証される」ということ。equity(みんなに公正に教育を与えられるということ)が大事であって、equality(みんなに同じ指導をするの)が機会均等ではないという考え方を明確にしていかなければならない」


これには「よく仰ってくださいました!その通り!」と拍手を送りたくなりました。

equalityを掲げるなら、今ある支援級も不公平と言うことになります。しかし、そんなことをいう人は誰もいないでしょう。

浮きこぼれだって、普通学級のストライクゾーンに入っていないという点では支援級にいる子供たちと同じ立場です。


また、同じ秋田先生ですが、
「実際には家庭で困っていることが多く、保護者との連携、保護者への情報提供が極めて重要になってくる。その割には保護者の困り感がこの報告書(資料2)には明確に出ていないので、そういうことが盛り込まれる必要がある」

との鋭い指摘もされていて、非常に共感できました。


現在のステージととしては、実態を把握している最中であって、どういう方向に進むかの検討にまでは到達していません。

また必要な支援を大きく分けると、困り事への対応と、才能を伸ばすという2つの支援が必要ですが、これもきっちりと区別して検討されているわけでもなく、どのように解決していくかが課題だと思いました。

実現までまだ遠い道のりのようにも思えますが、本人と親の意見をもっと聴取して、最善の策を練っていただきたいです。



以前に、息子の就学前相談のときの教育委員会の対応ついて書きました。全国の教育委員会がこのような意識レベルだとは思いませんが、こういう先生方の頭を柔らかくして意識変革を行わないといけないのですから、まぁ簡単にはいかないでしょう…。
https://athena-englishschool.hatenadiary.jp/entry/2021/07/17/051611