[2021.9.29] 天才を育てる上で一番大事なこと
文科省がギフテッド支援について検討し始めたというニュースが出てから、天才児に関する記事がニュースや新聞などでにわかに増えたような気がします。
日経新聞でも「孫正義を超えろ Z時代の天才たち」というシリーズで「天才」を特集しており、第2回目では梶田光君が取り上げられていました。
梶田光君は、去年だったかNHK Eテレで放送された「素顔のギフテッド」で初めて知ったのですが、自分で高度な計算ができる計算機を開発したり、大人の数学者と肩を並べて研究発表している姿を見て舌を巻きました。
テレビで見たときは5年生ぐらいだったと記憶していますが、現在は中1だそうです。
記事には、小さい頃の様子、習い事、不登校、才能を伸ばすためにやってきたことなどが書いてあって、参考になります。
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それとは別の記事になりますが、「ベネッセ教育サイト」にも梶田君のことが書かれているのでこちらもリンクを貼っておきます。
↓日経電子版の記事(2021/9/28付)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC09C830Z00C21A9000000/
↓ベネッセの記事 (2021/08/29付)
https://benesse.jp/kyouiku/202108/20210829-1.html
記事の中に、「僕は天才じゃない。親が自分の好きなようにやらせてくれただけ」という梶田君の言葉があります。
ご両親は、数学のことで頭がいっぱいで他の教科がおろそかになっても、不登校になった時も、「好きなようにやればいいよ」と常に梶田君の意思を尊重したということです。
これは親が子供を信頼していなければできないことです。逆に考えると、いろいろ口出しするのは子供を信頼していないということなのかもしれません。
また、梶田君と共同研究している(指導ではありません!)学習院大学名誉教授も「大人は何もしない方がいい」「梶田君に私が『教える』なんておこがましい」と仰っています。
親にできることは、
信じる、見守る、邪魔をしない。
そして、子供が好きなことに熱中して才能をぐんぐん伸ばしていける環境を整えてあげる。
そんなぐらいでしょうか。
元女子サッカー選手の澤穂希さんも、小さい頃に苦手なことを無理にやらされたことは一切なく、サッカーに専念させてもらえたと話されていたような記憶があります。
私の身近なところでは、上司が東京大学大学院卒の研究者(教授クラス)なのですが、小さい頃ご両親にどう育てられたのかと尋ねると、
「なんでも自由にやらせてくれて、何をしても怒らなかった」と話されていました。男兄弟三人大学教授だそうです。
私の長年の塾経験でも、トップクラスの子供の親を見ると、たいがい「本人に任せています」という感じであれこれ横から口うるさく言う人はいませんでした。
やはり、賢い子を育てるには、「信じる、見守る、邪魔しない」が鉄則のようです。
天才児に、横から口を挟んで親の価値観を押し付けたりなんかすると、返ってその才能を潰したり、信頼関係を壊してしまうことがあるかもしれません。
私がしっかり教育してやるぞ、なんて思わない方が良いようですね。