Yukkieの子どもと一緒に学ぶ子育て

算数大好き息子と元英語講師の母の二人暮らし。夫とは2017年に死別。前を向いて明るく楽しく生きています。私たちの日常や日々思うことを綴ります(ギフテッド、2E、学習、受験、塾)

[2021.6.30] 塾選びのヒント~何を判断材料にするか

今日は6/30(水)。息子曰く、ロサンゼルスの日らしいです。

ろく、さん、ぜろ、すい
→ろくさんぜろすぃ
→ろぅさんぜるすぃ
→ロサンゼルス、バンザーイ🙌 

みたいな…、何かこんなん好きなんです、息子(笑)

 

いつも算数大好き小2息子のことについて綴っていますが、今日は元塾講師の目から、塾選びのヒントについてお話しできることを書いてみたいと思います。
ここでは中学受験に焦点を当てていますが、高校受験、大学受験も基本的には同じですので、よろしければご参考にしてください。

 

ところで、ここ数日塾のことを書き始めてから、アクセスしてくださる方の数がすこ~しだけ増えました。

今回は塾の話なので、私の塾講師歴をメインに簡単に自己紹介しておきます。

英語講師歴25年のyukkieと申します。25年のうち最初の方は学習塾で小中学生を教えていました(中学生には英語、小学生には国語を指導)。後半の15年は英語塾を自営し、中高生を対象に一対一の指導形態で、学校の先取り、復習、定期テスト対策、受験対策などを行っていました。たくさんの生徒に出会い、毎日教えることからたくさんの学びがありました。

数年前にわけあって塾を閉め、現在は某研究所のロボット研究チームに所属し、主に発話言語や人の動作などの分析に関わっています。経験したことのない分野、しかも最先端を突っ走る世界に飛び込んで、毎日が刺激の連続です。当分はここで勉強させてもらって、いつかまた、息子に手がかからなくなったら塾も再開したいと考えています。

2017年に夫を亡くし息子と2人暮らしの母子家庭になりました。算数狂の息子は現在小学2年生。息子の算数話や私たちの日常を書こうとブログを始めましたが、加えて中学受験や塾などに関する情報も発信していこうと思っています。

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さて、本題に戻ります。
6月に立て続けに行われた、進学塾の全国テストの結果が返却されて、一喜一憂されている親御さんは多いと思います。そして、結果が良かった人も残念だった人も、これからのことを考えて入塾を検討されることが多いのではないでしょうか?

 

先日、四谷大塚の全国統一小学生テストを受けたときに、N学園の算数の無料体験授業のチラシが入っていて、息子が受けてみたいというので申し込みました。親も参観できるというので授業風景を眺めてきました。

 

大手進学塾はどこも、小3生獲得合戦で前年の夏前から営業が大変です。一旦よそに取られると、鞍替えしてもらうのはなかなか難しいですものね。

 

息子が受けた授業は「小2算数クラス」、中学受験向けです。6人の生徒が受講していて、保護者は6人共参観していました。熱心!私は偵察です(笑)

 

先生は見た目30前後ぐらいの若い男の先生、ワイシャツにネクタイ姿できちんと感があります。教室の後ろの方から熱心な親達が一挙手一投足を凝視していて、自分の授業が入塾の大きな判断材料となるのですから、きっとめちゃくちゃ緊張しますよね。しかしそんな素振りもあまり見せず、一生懸命授業されてました。

 

板書もきれいだし(消し方まできれい!)、説明も丁寧だし、子供が問題を解いている間はちゃんと一人一人見て回って必要なら声掛けしているし、きっちり教育を受けているなと感心しました。図形の板書が丁寧すぎて、もう少し雑でもいいから早く問題進めてほしいなと思ったり、生徒とのやり取りがちょっとぎこちないなと思いましたが、これはまあ初回ですし、取り沙汰するほどの問題でもありません。

 

どの子供達も真剣に授業を聞いていて、発言もしっかりできているし、真面目。教育熱心な家庭で育てられている匂いがプンプンします。(私の好き嫌いはちょっと置いといて)一般的には良い雰囲気。

 

教材はプリント数枚。学校の教科書的なものではなく、たくさん積み重ねられた積み木の数を計算する問題や、16マスの、ナンプレをアレンジしたような問題などでした。学校ではまだ習っていない掛け算も出ていました。めちゃくちゃ難易度が高いというわけではありませんが、公立小学校での授業以外何もしていなければ少々難しいと思います。

 

先生良し、教材良し、雰囲気良し。総評としては十分合格だと思います。

さて、皆さんは何を基準に塾を選びますか?これだけ揃えばもう決めてしまいますか?

 

私は、今回息子の希望で受講させただけですし、塾通いをまだ始めようとは考えていないのですが、もし入塾したくて参観し、通わせるかどうかの判断をするとしたら、通わせません。

それは、授業のレベルと息子のレベルが合っていないからです。
息子は算数がとても得意で、学習進度が平均的な小2の子供たちと比べてかなり先に行っています。先生が問題を読み上げている間に問題を解いてしまって、他のみんなが解いている間は基本的にすることがありません。この先生はそれにちゃんと気づいてくれて、次の問題に進むよう指示してくれたり、解説する予定のない問題をやるように言ってくれたりしました。それでも時間は余りました。

そして、全問正解しているので、新たに学ぶことはあまりありませんでした。息子に受講後何を新しく知ったか尋ねると、積み木の数え方の問題で、自分がやったのとは違う方法で解説してくれたので、それは発見だったといっていました。それはよかった!
しかし、45分の授業で新しく得たものはそれだけです。授業に費やす時間や、もし入塾するならその費用と、得たものを天秤にかけると、得たものがあまりにも少なく、無駄が多いです。

 

以上は先に進んでいる子供の例ですが、この反対のパターンでも不都合が生じます。みんなの速度についていけない場合です。先生が解説を始めるまでに問題を解けない率が高ければ、その授業はその子には合っていません。

 

公立の小学校の勉強は下の層の子供に合わせてくれますが、塾はそうではありません。大体真ん中より少し上に合わせることが多いと思います。クラス授業には当たり前ですが複数の生徒がいて、どんなにレベル分けされていても、必ず上から下までばらつきがあります。さて、塾に通って塾の効果を一番享受できる層はどのあたりでしょう?

答えは、真ん中~真ん中よりちょっと上の子供たちが一番効率的に勉強できる層になります。私の感覚では、授業中に解く問題のうち、間違いが2~3割程度のレベルの子供です。(または、誤答率がもう少し低くても、正答した問題を少し難しいと感じながら解いているレベル)

 

・解けない問題が多すぎる子供
授業についていけてないので、授業以外の支援がなければいくらそこにいてても成績は上がりにくいです。そうなると自信もつきません。最悪なのは、できないことに慣れてしまうことです。

・ほとんど正解する子供
そのレベルは理解しているということなので、授業を受けても時間の無駄が多いです。知っていることを確認しているだけですから。それよりももう少し上のレベルに行って、できないことをできるようになるような勉強の仕方をした方がよいです。

 ・2~3割ぐらい間違う子供
大体の大きな流れはわかっていて、細かいところを修正していくというパターンが多いです。授業でやることの7割ぐらいをきちんと理解できていれば、知らなかった、または間違った部分を理解するのにも余裕があります。できなかったところをきちんと消化できると効率的に学力を上げられます。この過程が一番自信に繋がるところで、自信が付けばつくほど、やる気もどんどん出てきます。

おおよそこんな感じで、お子さんがどのような状態であったか評価してみてください。

 

ただし低学年の場合は、問題数も少ないし、比較的簡単ですし、ほとんど正解だとしても、簡単すぎたのか、大体すらすら解けるのか、ちょっと難しかったのかという評価をすればいいです。まずは「塾に慣れる」ということも大切ですから、簡単すぎて時間が余る、または難しすぎて解けない問題が多い、というわけでなければ、塾に慣れさせて、自信を持たせるという目的は果たせます。これも非常に重要なことです。

 

塾に入れたいけど、どこの塾にしようかと迷っておられる方、何を基準に選んでよいかわからない方は、授業参観できる場合は必ず参観して、先生やクラスの雰囲気を見るのと同時に、子供の様子もよく観察してみてください。また、この時だけは他の子供と比べてみてください。上にも下にも飛び抜けていない方がいいです。

 

参観できない場合は、子供に授業の様子を詳しく聞いてみましょう。「先生良かった?」とか「気に入った?行きたい?」とか聞くだけではダメです。

 

・問題は簡単すぎなかったか、難しすぎなかったか (少し難しめのレベルが良い)

・問題を解くときに時間がいっぱい余ったり、足りなくなったりしなかったか

・時間が余ったり、足りなかったときに先生は気づいてくれたか、どう対応してくれたか
・授業を受けて、どんな新しいことを教えてもらったか
 (新しいことがあっても、ちゃんと説明できなければ理解できていない可能性が高いです。その場合は授業に付いていけてないかもしれません)

 ・うちの子にはちょっと難しめだと思われる問題、または本人が難しいと思った問題を尋ねて、お母さんに教えてと言って解説させてみる(授業でわからなかったところが、ちゃんと理解できたかを見る)

 

こんな感じの質問をして、授業で得るものが多そうだという印象を持つかどうか確かめてください。

 

(他には、宿題の量など、生活スタイルにも影響するので塾に確認しておいた方がいいと思います。量をこなすよりも、少なくてもよいので身に付く勉強の方がずっといいです)

 

塾を評判だけで決めてはいけない理由は、ざっとこういうことです。ママ友が「あの塾すごく良いのよー!」と言っても、鵜吞みにせず、本当にうちの子に適しているのかどうか、ご自分の目でよく見極めてください。

 

今回の体験授業を参観したところ、6人のうち2人(息子を含めて)は入塾してもあまり効率的でないなと思いました。同じ授業を受けても子供によって合う合わないがあるのです。

 

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