Yukkieの子どもと一緒に学ぶ子育て

算数大好き息子と元英語講師の母の二人暮らし。夫とは2017年に死別。前を向いて明るく楽しく生きています。私たちの日常や日々思うことを綴ります(ギフテッド、2E、学習、受験、塾)

[2021.7.13] 担任に塾を勧められたことと、文科省のギフテッド支援について Part1

先週、息子の個人懇談で担任の先生とお話してきました。

学習面でも、生活面でも特に問題なく、平和に学校生活をエンジョイしているようです。実際私から見ても、普通に楽しそうに行っており、特に大きな問題もなさそうです。相変わらず自ら友達の輪に入っていくことはないようで、他人と積極的に関係を築くことは苦手なのかもしれません。でも必要な時は集団の中でちゃんと自分の役目を果たしていて、協調性もあるようですし、休み時間一人でいることが多いらしいですが、淋しそうにしているわけでもなく、そういうのが気楽なのかもしれません。

息子についてはたいして面白い話もなかったのですが、担任の先生が、息子に塾をお勧めしてくださいました。学校の進度では物足りないだろうということで。

「塾に行ったら、難しいことをいっぱい教えてくれて、宿題もたくさん出るので、きっと満足しますよ!」と。

今の担任は大学の数学科を出た先生です。懇談に行くまでは、算数学習が学校と比較して進み過ぎている息子に、何らかのちょっとした支援とか、息子に合った学習方法の指導とか、アドバイスなど聞けるかな、などと少しは期待もあったのですが、塾を勧められて、そういう話をする気にはなりませんでした。「まあ、これが今の日本の対応だよね…。」などと思いながら、一応「はい、考えてみます」と言って帰ってきました。改めて「やっぱりな」と思っただけです。

もちろん担任も悪気はありませんし、むしろ息子の事を考えて勧めてくださったのだと思っています。ご自身の息子さんも早くから塾に通い、日本でも最難関の一つである中学に入学したそうですから、割りきっておられるのでしょう。

最近、「浮きこぼれ」という、突出した才能を持った子供が、さまざまな理由で学校生活になじめず、十分な支援を得られないまま、精神的不調を訴えたり、不登校になったりする現象が社会問題になっています。

息子の場合も、特に算数については学校で新しく学ぶことはほとんどありません。しかし、数字や図形などとにかく算数にまつわるものは何でも好きなので(ただ数を数えてるだけでも幸せそうです)、今のところは簡単だからと言って、退屈したり、授業を妨げたりすることなく、「今日は算数2時間もあるー!」などと喜んで授業を受けています。ただ、6年生までこのまま同じ調子でやっていけるかどうかはわかりません。

小1で6年までの算数が終わり、中学の範囲に入っている息子が、学校の授業で繰り返し繰り返し何か月も2桁の足し算、引き算をやっているのを見ると、正直親としては少々切ない気持ちにもなります。本人が楽しそうだから「まっいいか」と思っていますが、もしその時間を息子のレベルに合った学習に当てることができるなら、満足感、充実感、効率、いろんな面で大きなメリットがあるでしょう。

学校の勉強が物足りなかったら塾へどうぞ、というなら、もう学校と塾が連携して、進度が早い子供の教育を正式に塾に頼ってしえばよいのではないか、と思います。国や自治体が費用を出して。きっと塾なんかはそういうのは得意だと思います。

とにかく、学校の先生が何の戸惑いもなくそういうことを言ってしまうのには違和感を覚えますが、現状では、学校のシステム、日本のシステムが整っていないので、一人の先生にとやかく言っても、向こうも対応のしようがありません。もし問題意識が高くて、そういうことに関心があるような先生なら、少しは話題にして、何か行動を起こせないか意見交換をしてもよかったのですが、残念ながら担任の先生にはそういう印象は持ちませんでした。

日本国憲法には
「すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」

という一文があります。小難しいことも面倒くさいことも言うつもりはありませんが、やはり自分の息子を見て、そしてそれをフィルターにしてギフテッドや2Eの子供たちの現状を考えたときに、学習に遅れのある子供たちが支援をしてもらえるのと同様に、浮きこぼれの子供たちにも支援があってしかるべきだと思っています。普通学級のストライクゾーンからはみ出しているという点では全く同じ境遇なのですから。

学校で能力に合った教育を十分に受けられない子供が、塾に行かなければならないなら、塾代を出すのが困難な家庭の子供は教育の機会を奪われてしまいます。また経済的に余裕のある人は、独自に教育の機会を獲得するでしょうが、そのうち海外の教育環境が整った国に流れていくでしょう。


懇談の後にそんなことを考えていたところ、たまたま昨日、文科省のこのような記事を見つけました。

朝日新聞「突出した記憶力や数学力をもつ『ギフテッド』支援を検討」
(有料記事なので途中までしか閲覧できません)
www.asahi.com

2年かけて支援の方法を検討するということです。

将来日本を背負って立つ大人になるかもしれない、才能あふれる子供をつぶしてしまわないよう、国が早く環境を整えてくれることを期待します。

また、現状では、ギフテッドや2Eの子供を持つお母さん、お父さんの中に、安心して子供の教育を国に任せられると思っている人は一人もいないんじゃないかと思います。そのぐらい、そういう子供たちは公的な教育現場ではなおざりにされているのです。

子供に日本の教育を受けさせることに満足でき、それを誇りに思えるような制度が近い将来実現すればよいのですが。


(参考)
文部科学省 学習指導要領 
5. 児童生徒の発達支援 (5)特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する指導
www.mext.go.jp


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